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【2023/10/11 Release AL『脳内魔法』】セルフライナーノーツ&レコーディングエンジニアコメント公開

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2023年10月11日(水)リリース

安藤裕子 12th Album「脳内魔法」

セルフライナーノーツとレコーディングエンジニア中村督さんからのコメントを公開!

 

安藤裕子 2023.10.11 リリースAL 『脳内魔法』セルフライナーノーツ

 

私に色んな景色を見せてくれる1枚に仕上がりました。内容はほぼ2枚組。 音のチャレンジは勿論、近代文学を想起して作った曲も。コーラスワークなんか近年の中で一番凝ってると思う。詩世界に関して言うならば、ずっと瞼の裏に残っていた子供の頃の想い出もあるし、青春の煌めきも、現実の社会に感じる違和感やムカつくあやつへの悪態、量子のお話もね。沢山詰め込んで13曲になっちゃいました。結局作るのが大好きなんですよね。エンディングが5回くらい訪れるボリュームですので、心して聴いてください。でも一番に溢れてるのはあなたへの愛で、ハローとグッバイです。

-安藤裕子 

 

M01「金魚鉢」

イントロのギターがもう青春。女子高生にいじめっ子の顔を上段蹴りで成敗してもらって、その後教室を飛び出して草原を走り抜けて貰いたい。2016年の8月9日に一度披露した事がある曲。その時は私の下手くそなアコギに合わせてバンドメンバーが合わせて演奏してくれて、ルーリードにしたいって話だけは覚えてる。レコーディングしたかったけれど、以来眠っていた曲でした。
 実は私が大学生の時に認めた短い詩が元にあって、デビュー前の「隣人に光がさす時」林檎ジャケットのブックレットに載ってます。持ってる人は見てみてください。 今回レコーディングするとなって、絶対名越さんのギターとあらきゆうこのドラムは入れたいと伝えました。あの日のライブの再現半分、ルーリード・ミーツ90年代が半分となったのです。  
作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 編曲:Shigekuni 
Acoustic Guitar,Electric Guitar:名越由貴夫   Bass, Programmings:Shigekuni   Drums:あらきゆうこ

 

M02「星へ還る」

これはもうプロデューサーのShigekuni(以降シゲちゃん)が今一度ビートルズを再考しようと提案してくれて、先にガッツリメロディからデモ音源まで作り上げて送ってくれた曲です。珍しく自分のベースラインを褒めていて、相当練ったんだと思います。
コードの構築とかを追った部分もあったので、いつも彼が私に書いてくれる曲よりもキーが高く、下にコーラスを何層か作って歌の音像に幅を持たせました。
詩の内容としてはかぐや姫とか人魚姫とかが根元にあって、女性の恋にかける強い思いと多幸感を表現したつもりだったんだけど、歌入れの時エンジニアのアーバン(中村督)とシゲちゃんが怖い怖い言ってました。
ミックスの妙というのがあって、この曲のミックスの比重は非常に大きいものだったんじゃないかなと思ってます。いや、全部そうなんだけど、すごくゆったりしたテンポだしミックスの匙加減で答えは大きく変わったと思います。アーバン様様。    

作詞:安藤裕子 作曲 : Shigekuni 編曲:Shigekuni 
Acoustic Guitar,Bass,Programmings:Shigekuni

 

M03「ミサイルの降る夜は」

これもシゲちゃん提案の一曲。ジャズなドラムの打ち込みとクラップが曲中を駆け抜けていて、音像は非常にミニマル。すぐに詩の世界が浮かびました。仮題は「まちあわせ」。主人公が世界の終わり、大好きな人と会うために駅の階段を駆け上る姿を描いてます。シンセ群のロングトーンが疾走する世界の中で時空をゆっくりスローに歪めている様にも感じます。
もう一つの絵面として上海租界のダンスホールで歌う雇われ歌手というイメージがありました。なのでボーカルブースで一人踊りながら両手を広げてのびのび歌ったのです。自分勝手なジャズドラマーとダンスホール歌手にクラップが客席を沸かせるのです。   

作詞:安藤裕子 作曲:Shigekuni  編曲:Shigekuni 
Electric Guitar:白岩萬里   Bass,Programmings:Shigekuni

 

M04「スキスギてズキズキ」

プロデューサーとエンジニアと大体三人で意見を交わして曲を形にするんですけれど、我々同世代なんですね。なので通ったアニメとかも一緒で。
カルチャーなんかもおおよそ見知っているものは共通で。
で、アニメソングを作ろうと。やはり楽しいよね。私ずっとクリーミーマミになりたかったし、ロマンチックをあげたいですし、もしあいつはだめな奴とレッテル貼られたって世界で私だけはあの人を好きでいたいっていうのがいつもありますからね。こういう作業は全体を進行するプロデューサーの人間力が結構試されると思うんですけど、皆が楽しくふざけられて良かったです。
でも歌入れが難航して私アニメ界のアイドルになれなかったんです。それで二人がオタクスタイルで応援してくれて、結構感動しました。ギターのバンちゃん(白岩萬里)もツインテールでパイナップルフルーツみたいなフレーズ弾いてくれて、すごく楽しめた一曲。我々は宇宙の民の一員です。   

作詞:安藤裕子 作曲:Shigekuni 編曲:Shigekuni 
Electric Guitar:白岩萬里 Chorus,Bass,Programmings:Shigekuni

 

M05「Tikpop」

珍しい?初?打ち込みも含めの自分アレンジ曲。先行配信した「さくらんぼみたいな恋がしたい」なんかもだいぶ自分データが使われてたりするんですけど、いつもは土台にイメージがあってもシゲちゃんに相当ブラッシュアップしてもらって形にして貰います。この曲もいつも通り渡していたのだけど、これはいじったら均衡が崩れるという事でそのまま使って貰いました。このジャンクでガレッジでポップな香りって確かにこのままじゃないと出ないよなと思います。私のボイパまがいの素材も入ってます。
名越さんとあらゆうとシゲちゃんが生楽器を足してくれた事で相当ゴージャスになりました。だから結果よかったな。
あと曲の由来にも起因してるかも。すごくムカつく事があって。文章にするとアホっぽすぎて切ないですけど、なんて下品なジジイどもめ!って叫びたくなる事があって。それはまあ結果どうでも良いんですけど。私が言いたいのはね、多様性ってみんな最近語りますけど、非常に潔癖な一体性を突きつけられてると思うのね。お気楽おおらかで良い部分ってきっとあって、全てを受け流して笑い合う瞬間がとても大切で。
下品なジジイ!けしからん!時代錯誤だわ!!今あなたこう言いましたよね?どういうつもりですか?って世の中から抹消しあうなんてめんどくさいんですよ。
うっせえなジジイ黙ってろ!じゃあね!って明るく手を振りたいんです。この曲はそんな曲。傷ついたとか傷つけたとか、当たり前に受け入れていくのが本当の多様性だと思うんですよね。事件性のある話はまた別ね、ほら、こういうの。説明しなきゃいけない。大事なあなたがいてくれるなら大概の事は乗り越えて笑っていけるんだよ。長くなりましたけど伝わりましたかね?今回も名越由貴夫のギターが冴え渡ってるって話です。炎上しないでね。
   

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 編曲:安藤裕子 
Electric Guitar:名越由貴夫  Piano:Shigekuni  Drums:あらきゆうこ Programmings : 安藤裕子

 

M06「猛火の羽」

音像としてはヒップホップ、詩世界的には近代小説を目指した一作。結構ユニークな作りで、バトンを渡す様な形でメロディをシゲちゃんが追加してくれてます。コーラスはアジアな詰みと言いますか、日本昔ばなしがイメージ。多分だけどシゲちゃんは音に抜け感を求めていて、硬質になりすぎないようにミョンミョンベースを大きく取り扱ったり、女性性を音で足してくれているんだと思う。と言うのも詩世界が非常に硬いんです。
太宰治に「駆け込み訴え」というのがあって、これは口述筆記による作品で、見事な一人語りなんだけれども、歌詞の作りはこういう様な語りをやってみたいなというチャレンジから始まっています。
こちらは勿論口述って訳にはいかなくて、メロディの中でそんな雰囲気の構造を作ろうとした訳です。
語り手の心情は大きく分けて3つに区分されるんだけれど、一つは目撃者としての語り部。リスナーに向けて語りかけて一緒に逃亡者を見送る立ち位置にいます。もう一つは逃亡する二人への語り、地図を譲ろうとしています。もう一つは自身の心の内が声となって漏れている様子と言えるんでしょうか。
最後に我にかえり、再びリスナーと同じ目線で目撃者となります。彼はなぜ地図を持っていたのか? 月夜の昔に同じように飛び立ち、雲を突き破り太陽に羽を焼かれた二人は誰だったのか。  

作詞:安藤裕子 作曲:Shigekuni / 安藤裕子 編曲:Shigekuni / 安藤裕子
Chorus,Bass,Programmings:Shigekuni

 

M07「さくらんぼみたいな恋がしたい」

先行配信も致しました大塚愛ちゃんの「さくらんぼ」へのオマージュ曲。本家はポップの極みと言えるヒットチューンですが、ダウナーオルタナな音像で男運のなさそうな女性を想起する曲に仕上がりました。本家の掛け声で使われてる「もう一回!」がこちらではサビになっております。意外と切ないのよね。
彼女とは同期で同レーベルでしたが、お互い子供が生まれるまでは接点がなくて、ママ友として仲を育みました。二人で子供が寝た後電気もつけずにいつまで歌っていられんだろうね? なんて話した夜もあったりなかったり。彼女の全身で表の世界に立つ姿が清々しくて好きです。エンターテインメントを全うする姿を尊敬しています。タイプが違うから、同じ様にはできないんだけど、こうやって20周年のお祝いに一緒に音遊びができて嬉しかったな。
そうそう、曲は犬の散歩中に枯れ葉が木枯らしに舞う姿を見ながら口ずさんでいたものです。ご本人が関西人だからか曲中「さくらんぼ」が関西イントネーションだなって常々思ってて、そういう所は意識して踏襲しました。
MVにも出演してくれてます。スタンリーキューブリックとデビットリンチでファンシーホラー。ドーリーで妖艶な愛ちんが見られる一作です。女豹のポーズが冴えてる!

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 編曲:安藤裕子 / Shigekuni 
Acoustic Guitar,Bass,Programmings:Shigekuni

 

M08「Family Ties」

プリプロでシゲちゃんとコード鳴らしたりメロを口ずさんだりして作っていった曲です。今回音像遊びが多かったので、歌メロの優しい曲を作りたかったっていうのもあるんです。最初はハミングで歌っていましたが、その時からずっと懐かしい景色が見えていて、記憶の断片を探るような作詞になりました。
私には一緒に育った姉が二人いるんだけど、大人になってしまった我々はもう子供の日々には帰れない。夏の暑い日の家の前に続く長い坂道や、道端の雑草や頬を伝う汗を、同じように多感な少女だった姉達の姿を思い出すけど、あの日には帰れない。そうやって家族の風景をなんだかずっと思い浮かべていました。郷愁というんだなそういうのを、きっと。
レコーディングにはもっさん(山本隆二)も遊びに来てくれてウーリッツァとチェレスタを弾いてくれました。いずれも優しい音色で情景を深めてくれました。入ってる音全体に言える事ですが、丸みがあって、優しい曲。クラーベがかわいいね。

作詞:安藤裕子  作曲:安藤裕子 / Shigekuni  編曲:Shigekuni 
Acoustic Guitar , Bass,Percussion , Programmings:Shigekuni Wurlitzer ,  Celesta 山本隆二

 

M09「あなた色の街」

去年末から始めたアコースティックツアー用に描いた曲。時が二人の時間を褪せたものに変えてしまう瞬間もあるのだけれど、やはりあなた色に染まっていたいのです。そんな恋人達の四季の歌。意外と難しくてシゲちゃんは何度か俺これ無理かもと作業をやめていました。オーソドックスにアコギとかを前面にはめてしまうときっと何か違くて、予想を超えない一曲になってしまう良曲って言えば良いのかな。沢山曲作りはしてきたから、煌めきは捨てないっていうのが結構大事で、最終的に音像はエレクトリックだけれど情熱と冬の景色を体感させてくれる曲になりました。シゲちゃん的には拙いベベベンベースとか音楽始めたてのバンドらしい。こういう産みの苦労話は本来私じゃなくて音担当の本人が語った方が臨場感があるよね。近々そういう場を設けられたらいいな。

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 / Shigekuni  編曲:Shigekuni 
Acoustic Guitar ,Bass,Programmings:Shigekuni

 

M10「沈澱する世界」

え? さっきのがアルバムのエンディングでしょ? と見せかけて次がエンディングでした詐欺のスタートです。フォークソングだけれど、シゲちゃんが練ってくれたブリッジ部分によって青臭さが消されてもっとシリアスでソリッドな世界を構築してくれたなと思います。本人曰く音像は押し寄せる隕石。冷静と情熱のはざまと言いますか、この曲は事なかれ主義の風潮に物申す部分と、結局自身の肩が掴まれない限りは日常をやり過ごし、瞳を閉ざして何も変えようとしない自分を恥じている部分が交差しています。でも結局、どんなに逃げても違和感は消えないんだと思う。澱はずっと、我々の頭上に降り積もったまま。
もっさんのグランドピアノと名越さんのエレキギターがより渋みを増してくれている。ピアノは前半音色が綺麗すぎてアーバンがわざと古いアップライトのような汚しをしてくれて結構しっくりきました。キーも随分色々試しました。よく着地点を見つけたもんです。  

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 / Shigekuni  編曲:Shigekuni 
Piano:山本隆二 Electric Guitar:名越由貴夫 Chorus,Bass,Programmings:Shigekuni

 

M11「Guardian of Paradise」

いやあ、アースを感じる牧歌的なエンディングだね。ってまた言いそうになる終わりの曲タイプB。時代は地下で何かが蠢くように変容の最中で、きっと多くの人が言いようのない不安を覚えていると思います。自分が一体何を恐れているのかもわからないまま孤独に溺れている人々もいると思います。だけれど、どんな事が起ころうと、我々はこの土地を耕し、命を頂き、隣人と笑い合い、手を取り合って次なる命に夢を託していく以外できないと思うんです。諦めちゃいけない。
だから、あなたはあなたのままで、明日を迎えてほしい。
私には故郷という故郷がない。いやあるんだけれど、生まれたのも育ったのもたまプラーザ。たまが平仮名でプラーザは片仮名、岡本太郎が駅名を付けたという以外は非常に典型的な新興住宅地。景色は皆一緒。関西の血で、食事で育ち、関東に居を構え、東京の夜で遊び、さまざまな出自の友と語らい、家族と共に過ごせば島の歌が周りに鳴り響いていました。この曲は身体に染みついた旋律のかけらを玩具箱の様なサウンドと形にしたものです。山や海を共に超えていく渡り鳥達がイメージ。我々は明日に向けて船出する。

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 / Shigekuni  編曲:Shigekuni 
Bass,Programmings:Shigekuni

 

M12「泡の起源」

やっぱ、地球を超えたら宇宙ですよね。
インターステラーという映画を観て、嗚呼、と何かが腑に落ちた気がしたのです。
言葉で表すのはとても難しくて、それ故音楽で形にする。
んー。なんて書こうか? いつも気配で知る過去や未来があって、ずっととても寂しかったんだけれど、その気配を、あなたの存在を知ることが出来て寂しくなくなった。というか。
この空気の振動の隙間からその声が聴こえてくる。メッセージを受け取る。そういうイメージでしょうか?
冒頭部分に音の芽生えがあるんですけど、ポツリと寂しいんです。でも音の定位があちこちに散らばっていて、その気配を知らせてくれる。段々と私はあなたを確信して、光の粒子を抜けてあなたに会いに行ける。私は嬉しいんです。
サウンド面としては、シゲちゃんは当初全ての音をアコギを加工して作っていたそうです。ベースもアコギを加工したもの。最終的には冷静になって全部というのはやめたそうです。でもほとんどアコギ。

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 編曲:Shigekuni 
Bass,Programmings:Shigekuni

 

M13「ただララバイ」

難しかった。自分で作っておいてなんだと言うくらい難しかった。でも反面シゲちゃんは早めに答えが見えている様だった。なぜだ。と言うのも当初私は95年に江戸屋レコードから出ていたTOKYO No.1 SOUL SETの「TRIPLE BARREL」というアルバムの話をしていて、90年代に流行っていたサンプリング音楽みたいな事がしたいんだよと説明したつもりだっただが、シゲちゃんはソウルセットを通ってなかったし、全然話を曲解していて、サンプリングで入っていたのはビヨンビヨンと犬の鳴き声だった。そして元のデモのギターが裏打ちだったからかレゲエ風になって返ってきた。
でも結果は私が求めた青春の煌めきみたいなものが込み上げる曲にちゃんとなった。またどこかできっと、旅の終わりには笑って会おう。
幾つ年を重ねても死ぬその日まで追い求める何かというのがあって、いつかあちらで会うのなら、みんなで今生何をやってやったぜと語らいたいじゃないか。最後は明るく涅槃で待つ。

作詞:安藤裕子 作曲:安藤裕子 / Shigekuni  編曲:Shigekuni 
Electric Guitar:白岩萬里 Bass,Programmings:Shigekuni

 

レコーディングエンジニア コメント

制作期間中はどこか遠い国の森に迷い込んだような、
なにかもののけの囁きに導かれるように作業をしていました。

安藤裕子さんの表現力は少女のそれであり、同じ唄を歌うことは2度とありません。
児童合唱団のトランス
舞踏の攻撃性
子守唄の包容力
バレエの悦びや哀しみ
いくつもの表情を紡ぎ合わせ、テイクごとに全く違った歌唱でその曲の世界を表現してくれます。

同時にその中のひとつを選択して作品として残す事は、重い責任を感じる作業でもあり、エンジニアとしてはときに迷うこともあるのですが、そんな迷いを吹き飛ばしてくれる出来事がありました。

このアルバム制作期間中、のちに行われた20周年記念コンサートのイントロに流れるSE曲「the  moon and the sun」のライブ録音がありました。
サビの「ラララ」パート、お客さんにコーラスで参加してもらい、いくつかのメロディーラインを編集でハーモナイズするという実験的なアレンジでしたが、素晴らしい録音のおかげで予定通りの編集〜ミックスをすることが出来、満足のできる音源が完成しました。

20周年記念コンサート本番、
イントロSEとしてのこの曲の終盤でバンドメンバーと安藤裕子さん本人が登場すると、それまで静寂の中に流れていた曲の上に、オーディエンスの拍手がコーラスアレンジに呼応するように大きく深くなっていきます。
ミックスで完成したと思っていた音源に広い会場の響きと拍手が足されて、その曲は僕の想像より遥かに大きな、安藤さんへの愛に満ちた空間を作り出しました。

歌詞のないコーラスと拍手、人ができる最もシンプルな表現を自身の楽曲に纏わせることで空間を完成させた安藤裕子さんの脳内魔法は、このアルバムの曲たちにもたくさん散りばめられていて、手に取る人や再生される時代が変わってもきっと聞いた人の心を紡いでくれる。

そう思い、ライブとはまた違う安藤裕子さんとリスナーさんとの純粋な時間、2度とは同じく訪れない再生空間のために、それぞれの曲の歌詞とアレンジメントだけに導かれながら、唄を選び、ミックスをしました。

それぞれの曲が安藤裕子さんの唄であり、今回のアルバム全体がまたひとつの唄であるように、そしてこれからも続く安藤裕子さんの表現者としての人生がまたひとつの唄であるように。

自主レーベル初作品、完成おめでとうございます!
今回もありがとうございました!!

レコーディングエンジニア
中村督

 

安藤裕子 2023.10.11 リリースAL 『脳内魔法』

 

2023年10月11日(水)リリース
【タイトル】脳内魔法
【収録曲】
01.金魚鉢
02.星へ還る
03.ミサイルの降る夜は
04.スキスギてズキズキ
05.Tikpop
06.猛火の羽
07.さくらんぼみたいな恋がしたい 
08. Family Ties
09.あなた色の街
10.沈澱する世界
11. Guardian of Paradise
12.泡の起源
13.ただララバイ

【配信URL】https://ssm.lnk.to/Nonai-Maho
【品番】UCAD-0001
【通常盤価格】紙ジャケット仕様 通常盤 3,500円(税込)
【特典】各法人:ステッカー(先着)


【通常盤ご予約】

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